Q: 上智大学の文学部英文学科と、外国語学部英語学科の違いはなんですか?
A: 大きく分ければ、英文学科は文学・思想・文化研究、それに加えて英語教育を柱にしているのに対し、英語学科の方では言語学(含む英語教育)と地域研究を柱にしているという違いがあります。この違いは主に、教員の専 門によるものです。けれども、両学科とも、1・2年のうちは基礎力を固めるためにリーディング・スピーキング・リスニング・ライティングなどのスキルを身 につけるようなカリキュラムを組んでいるという点では同じです。ただ、3・4年になって専門科目を受講するようになると、内容が重なるような講義が多少あ るものの、少しずつ2つの学科の違いが際だってきます。英文学科では、西洋の古典的な伝統を重視するという姿勢のもとに、主に英米を中心とした英語圏の思想、文学、文化を扱う数多くの講義や演習が開講されています。したがって学生は、自分が関心をもつテーマに関係のある授業を体系的に受講していくことによって、 問題意識をもち、それを有機的に考察しつつ、卒業論文に向かって研究テーマを深く追究していくことができます。
そして、もうひとつ確実に言えることがあります。それは、私たち英文学科の教員が迎え、育てたいと望んでいる学生像とは、大学生活の集大成として4年次に 執筆する卒業論文において、ひとつのテーマに沿ってある文学作品をじっくりと読み解き、「ものごとを深く思考する」というプロセスをきちんと経験したこと がわかるようなものを、論理的に、自分の言葉で書きあらわすことができる学生である、ということです。私たちはこれまで、つねにこの目的・使命を果たして きたと自負していますし、今後も、そのような高い志をもつ学生の入学を待っています。
Q: 在学中に留学したいのですが、4 年で卒業することは可能ですか?
A: はい、計画的に単位を取得していけば、十分に可能です。英文学科では卒論を除くすべての科目を半期制にするなど、留学しやすい環境をととのえています。 留学について詳しくは、こちらをご覧ください。
Q: 将来、通訳か翻訳家になりたいのですが、そのために役立つ授業はありますか?
A: はい、上智大学の文学部英文学科では翻訳の講義や演習を開講していますし、外国語学部英語学科では、同時通訳の技術を身につけるための実践的な授業を開講 しています。通訳や翻訳の授業を開講している大学は日本全国でもそう多くはありませんから、これは上智大学の大きな特色であるといえるでしょう。英文学科では翻訳の世界で活躍なさっているプロの翻訳家の先生方から翻訳の実際を学べる講座も開かれています。教員たちは英語だけでなく日本語についても徹底的に訓練するよう心がけています。卒 業生には多くのすぐれた通訳や翻訳家がいます。
Q: 卒業後に海外の大学院に行きたいのですが、そういう道は可能ですか?
A: はい、これまでも多数の学生が、英文学科を卒業後、海外の大学院に進学しています。またその分野は、英米文学にとどまらず、社会学や国際関係学、さらに英語教育など多岐にわ たっています。英文学科のカリキュラムは、学生が在学中に留学したとしても困らないレベルのリーディング・ライティング・リスニング・スピーキングのスキ ルや、論文作成のための作法を習得できるように工夫されていますので、在学中にしっかりと勉強しておけば、海外の大学や大学院へ行っても十分に通用するは ずです。
Q: 他学科の科目も履修できますか?
A: はい、できます。全学共通科目として他学科の科目をとることができますし、また、他学科の科目も20単位までなら専門科目に充当させることができますので、幅広い知識を身につけたい学生は、それぞれの関心にあわせて色々な授業をとっています。
Q: 第 2 外国語としては、どんな言語をとることができるのでしょうか?
A: 上智大学では、第 2 外国語として、ドイツ語、フランス語、イスパニア語、ロシア語、ポルトガル語、中国語、コリア語、インドネシア語、フィリピン語、アラビア語、ラテン語などを選択することができます。
Q: 私は外国人と話をした経験が全然ないので、ネイティヴの先生の授業についていけるかどうか心配です。上智大学は帰国子女の学生が多いと聞いていますが、こんな私でも大丈夫なのでしょうか?
A: はい、もちろん大丈夫です。帰国子女の学生は英文学科の学生全体の10%程度を占めていますし、かれらが外国ですぐれた語学のセンスを培ったことにより、 流暢な英語を話すことができるのは事実です。ネイティヴ・スピーカーと話す経験をあまりもったことがない学生にとって、帰国子女の学生と身近に接するのは 良い経験となるでしょう。しかしながら、授業に関して心配は無用です。習熟度別の構成をとっているリスニング・スピーキングやライティングの授業では、ネ イティヴ・スピーカーの教員がそれぞれのレベルに適した授業をしていますし、また、ほかの多くの授業は、コミュニカティヴな側面ばかりに重点を置くことに ならないよう、むしろ英文法や構文の知識に裏打ちされた精緻な英文の読みを行うことができる学生を養成することを目的としています。したがって、日本で英 語教育を受けた学生が不利になることはまったくありません。
Q: 私は文学の知識がなく、英語で書かれた本といっても『ハリー・ポッター』くらいしか読んだことがありません。文学作品をたくさん読んだことがないと、英文学科に入ってから苦労するのでしょうか?
A: 『ハリー・ポッター』も素晴らしい作品ですし、大学に入学する前は、『赤毛のアン』などの児童文学しか読んだことがなかった、という学生は大勢います。 皆、そこから出発して、卒業論文を書くまでに「強く心を揺り動かされる作品やテーマ」に出会っていくのです。多くの書物にふれて自分の好きなものに出会う までの過程は、苦労というより知的興奮に満ちているというのが、毎年学生の卒業論文の指導をしている私たち教員の実感です。みなが文学に興味をもって入学してくるわけではありません、多くの学生が英語を勉強したいという動機で入学してきます。でも入学してから文学研究の深さと幅の広さに気づき、興味を覚える学生がたくさんいることも事実です。
Q: 習熟度別(能力別)クラスは、どのような方法で分けられるのですか?
A: スピーキング・リスニングに関しては、4月にネイティヴ・スピーカーの教員による面接や、テープを使ったリスニング・テストを実施してクラス分けを行います。ライティングに関しては、簡単な英作文をしてもらい、その評価をもとにクラス分けをしています。