1年生が履修する週2回の授業です。スキルクラスのなかでは数少ない、日本人教員が日本語で行う授業です。この授業のねらいはふたつあります。まずは徹底的に辞書をひき、文章を丹念に読み解く訓練をおこなうこと。いまさらそんなことするの? 大学に入ってまで精読の授業ですか? 文章の意味なんて、なんとなくわかればいいでしょう、大意がつかめればいいんじゃない。そんな風に思っていませんか。たしかにそうかもしれませんが、でもそのレヴェルで通用するのは受験が終わるまでです。大学で専門科目を学び、社会で英語を駆使していくためには、大体ではなく、正確に意味を把握し、正確な日本語に置き換える訓練が絶対に欠かせません。難解な文章を前に、ひとりでは行き詰ってしまうこともあるでしょう。そんなとき、どう読めばいいのかという手がかりを、教師やクラスのみんなの意見を参考にしながら、読み、考え、理解するという行程を一歩一歩着実に進んでいく、これがReading and Researchという授業の眼目です。
このクラスが掲げるもうひとつの目的は、自分の考えを文章化するための基礎訓練をおこなうことです。自分の考えを、口に出して述べることと文字で表すことの間には、大きな違いがあります。新入生対象のアンケート調査では、多くの学生が、レポートの書き方がわからなくて困っていると回答しています。大学で求められるレポートには、高度な思考力が必要であると同時に、アカデミック・ライティングについての知識が必要です。その知識を得ることによって、論理的にものを書くというのはどういうことなのかが実感できるはずです。2年次の必修科目であるWriting Workshopのための素地を固めるためにも、まずはこのクラスで、日本人の教員からライティングの基礎知識をしっかりと学んでもらいます。