専攻紹介
Program Description


 

概要

文学研究科英米文学専攻は、上智大学が掲げる基本理念であるキリスト教的ヒューマニズムに立脚し、英米の文学を西欧文明という大きな実体の一環をなす営みとして研究することを目標とします。学問研究は高度になればなるほど、狭い専門テーマの視界に埋没しがちになる傾向を持つものです。これに抗するため、本専攻は人文学としての文学研究に取り組むという姿勢を保ち、歴史的奥行きや宗教・思想・文化の諸領域との広範な連関を見失うことなく、英米文学や文化を理解するように学生を指導することを目的とします。

 

博士前期課程

博士前期課程は、後期課程に進学して専門研究者になることを目指す学生だけでなく、中学・高校教員を目指したり、翻訳、編集、その他の実務を志向しながら、より高度な専門知識を獲得することで職業的能力を高めようとする学生や社会人に向けて開かれています。授業は、実践的な能力を養うために、徹底した少人数の演習形式で行われます。

 

2013年度よりコース制が採用され、入学生は後期課程に進学するためのAコース、前期課程で完結する学生のためのBコースに分かれます。入学要件(入試)と修了要件(修士論文、履修単位数)がコースによって異なりますが、授業そのものはどちらのコースの学生も同じ「特講・演習」を受講します。また両コースとも、学生は各年度の始めに研究計画を提出し、指導教員を決め、年間を通じて個別研究指導を受けます。両コースとも、論文を執筆する学生は、専門的な個別論文指導を受けることができます。授業については、専門領域だけでなく、できるだけ幅広い科目を履修する計画を立てることが進められます。

AコースとBコース、それぞれの入学要件(入試)は、上智大学「大学院入試要項(共通)」及び「研究科別試験概要」を参照してください。(こちら)

 

博士後期課程

文学・語学・文化研究の専門家養成を目的とする博士後期課程は、各自の専門テーマ以外の広い分野における知識を得るための「リーディング・コース(個人指導科目)」の履修と、専門テーマを深く探求する為の「課程修了論文」(2013年度以前入学の学生)あるいは「博士予備論文」(2014年次生以降の学生)執筆の二本だてでカリキュラムが構成されています。これは、学生が大学専門課程レベルの教員・研究者として必要な能力を身につけるように配慮されたものです。各論文提出に至るまでのプロセス、さらに課程博士号取得条件については「学位論文」のページを参照してください。

 

専攻の特徴

専門研究者、教員、専門知識を有するその他の職業従事者育成を目的とする英米文学専攻は、イギリス文学・文化、アメリカ文学・文化、英語学・英語教育の各分野に、厳しく設定された資格条件を充たす教員をそろえています。また、委託聴講制度によって、在学生は他の11の大学院の授業に参加し、単位を取得することも可能です。

 

英米文学専攻は、博士課程設立以来すでに26名に博士号を授与しています。理工学研究科などに比べれば、その数は決して多くはないものの、人文系では突出しているといえるでしょう。

英米文学専攻修了生の大部分は、各地の大学で教鞭を執っています。その数は数百名を数え、大学英語英文学教育の分野でひとつの勢力を築いているといっても過言ではないでしょう。

 

英文学科ならびに英米文学専攻と関連する研究団体として上智大学英文学会があり、毎年1回大会を開き、大学院生による研究発表と、学内外の研究者や専門家による講演やシンポジウムが企画されます。学会では『上智英語英文学研究』を年間1回刊行して、大学院在学者や修了者による論文を出版しています。