学歴
学士(教養)、東京大学
修士(学術)、東京大学
PhD in English Literature, University College London
専門分野
近現代イギリス思想史
ヴィクトリア時代を中心に、狭義の「文学」に限定されない近現代イギリスの思想世界を広く関心の対象としています。ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンに提出した博士論文では、19〜20世紀転換期のオクスフォードで支配的な思想潮流であったイギリス理想主義(British Idealism)を代表する哲学者T・H・グリーンに注目し、今では一部の哲学史家や政治思想史家によってのみ記憶される一群の観念論哲学者たちが、英文学の世界において文化批評と呼び習わされてきたジャンルを代表する思想家たち、とりわけマシュー・アーノルドといかに関心を共有し、相互に影響を与え合い、同質的な知識人集団を形成していたかを問題にしました。現在は、テオフィル・ゴーチエ以降のフランス文学との関わりで語られることの多いイギリスの唯美主義を、ドイツ哲学の影響下で美学的問題に取り組んだバーナード・ボザンケら理想主義者の著作と関連づけて読み解く方法を模索中。
担当科目
Reading and Research
History of English Literature and Culture (Poetry and Poetics)
English Studies Seminar
Special Topics in British Studiesなど
最近の出版物
「バーナード・ボザンケの初期美学論考——社会改良の哲学はいかにして唯美主義に応答したか」『オスカー・ワイルド研究』第20号(2021年)
「Ivor Armstrong Richards——方法としての「実践批評」」『脱領域・脱構築・脱半球——二一世紀人文学のために』巽孝之監修(小鳥遊書房、2021年)
「文芸批評と歴史のヴィジョン——Public Moralists以降のステファン・コリーニ」『日本ヴィクトリア朝文化研究学会Newsletter』第18号(2019年)
「ジェイムズとF・C・S・シラーの「ヒューマニズム」の哲学」『ウィリアム・ジェイムズのことば』岸本智典編(教育評論社、2018年)
「ウィリアムズからイギリス理想主義、リベラル・アングリカニズムへ——『文化と社会』におけるT. H. グリーンの不在をめぐって」『レイモンド・ウィリアムズ研究』第7号(2017年)
「オスカー・ワイルドの『人間の魂』における自己発展と共同善——個人主義、イギリス観念論、倫理的社会主義」『オスカー・ワイルド研究』第14号(2015年)
「D・G・リッチーとオスカー・ワイルド——世紀末のイギリスにおける「設計への意志」」『ヴィクトリア朝文化研究』第13号(2015年)