学 歴
上智大学文学部英文学科卒業
上智大学大学院文学研究科 文学修士
上智大学大学院文学研究科 博士(文学)
BA in English, Sophia University
MA in English, Sophia University
PhD in English, Sophia University
専門分野
ヴィクトリア時代を中心とするイギリスの文化と思想史
文学を研究しているというよりは、文学研究をしている人たちが何を考え、どういうつもりで学生や生徒を教えているのか、を研究しています。欧米や日本の大学・学校で、〈文学〉――もう少し広く言えば〈人文系の教科〉――は昔からカリキュラムの中に中核的な位置を占めてきました。19世紀のイギリスではギリシア語やラテン語で書かれた古典文献を読むことが普遍的で最も格式の高い教育の形式だと考えられ、20世紀になっても英米の大学では〈英文科〉が大きな勢力をもち続け、学校ではEnglishが圧倒的な主要教科として存在感を示してきました。翻って現在、一方で自然科学や社会系諸科学の重要性が誰の目にも明らかとなり、他方で伝統的な人文的教育の内容や方法、意義に疑問が呈せられるようになって、文学部や英文科は四方八方から袋だたきにあっているような状態です。そういう現状の中で文学の研究や教育はわれわれにとってどんな意味をもちうるのか? そういうことに興味をもっています。とりあえずの答を学生・生徒の皆さんにもわかっていただけるように語った(つもり)なのが、下記『英文科の教養と無秩序』の最終章です。
担当科目について
英文学史 イギリス文学演習 イギリス文学講義 Intensive Reading 3, 4
3, 4年次生向けの「イギリス文学演習」では、17世紀から19世紀までのイギリス詩人の中から毎年一人を選び、その代表的な作品を参加学生と一緒に嘗めるように読むという作業をしています。英語の韻文を読み慣れている学生は日本の英文科にほとんどいないので、まずは詩を〈面白いもの〉として読む段階に達していただくのが目標です。2年次生向けのIntensive Readingでは、春学期に韻文、秋学期に散文で書かれた短い文学作品を取り上げ、文章から最大限に意味を汲み取る練習をし、文学を分析する方法を訓練します。
主要業績
・『十九世紀オクスフォード――人文学の宿命』(単著、上智大学出版、2000年)
・『英文科の教養と無秩序――人文的知性の過去・現在(未来?)』(単著、英宝社、2012年)
・マーク・パティソン『ある大学人の回想録――ヴィクトリア朝オクスフォードの内側』(翻訳、上智大学出版、2006年)
・“Newman and Pattison: The Predicament of a Secularized University,” Christian Higher Education 2 (2003), 213–28.
・“The Metamorphoses of the Scholar-Gipsy,” Essays in Criticism 55 (2005), 117–35.