飯 野 友幸 教授

Tomoyuki Iino in Windy City


学歴

上智大学文学部英文学科(学士号)
上智大学文学研究科英米文学専攻(修士号)
カリフォルニア大学デイヴィス校大学院(修士号)
上智大学文学研究科英米文学専攻(博士号)

B.A. in English, Sophia University
M.A. in English, Sophia University
M.A. in English, University of California, Davis
Ph.D. in English, Sophia University


専門分野

20世紀アメリカ詩、アメリカ音楽

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有名なアメリカの雑誌『タイム』の創刊者ヘンリー・ルースは、1941年初頭に、20世紀は「アメリカの世紀」であると宣言した。第二次世界大戦さえ始まっていない時のことである。たしかに、政治・経済などの面で20世紀の初頭からアメリカ合衆国が世界をリードしてきたことは間違いないし、第二次世界大戦後に戦勝国となり、人類史上もっとも豊かといわれた1950年代を作り出したことがそれを証明したのかもしれないが、その後のグローバリゼーション、冷戦の終結、そして世紀が変わって9.11の同時多発テロ、さらにはここ数年の国内の分断、と現在に至る流れを見ると、「アメリカの世紀」宣言は正当なものだったのだろうか? そればかりか、いささか傲慢に響かないだろうか?

とするなら、「もっとも豊かな1950年代」が徐々に変貌する30年ほどの時代を、アメリカ文化がどのように反映したか、逆にどのようにそれに反応していたかを探ることは興味深い。だからこそ、アメリカの詩をじっくり読み、またアメリカの多様な音楽を聴いてみるのも意義深いと信じている。

 

 


担当科目について

担当科目:American Studies Seminar, Special Topics in American Studies, Critical Reading

講義でも演習でも、上のような問題意識から、1950年頃から1980年にいたるアメリカ文学の作品、特に詩をじっくり読み、また時に同時代の音楽にも耳を傾け、文学的・文化的背景を探っている。その際、詩のテクストを読みこみ、分析することは、数式のように唯一の答えをみちびき出すこととはちがう。読者であるわれわれの思考、判断、そして想像によって多様な答えがありうるのだ。


主要業績

研究書

・『ジョン・アッシュベリー――「可能性への参加」の詩』(単著)(研究社、2005年)

・『フランク・オハラ――冷戦初期の詩人の芸術』(単著)(水声社、2019年)

翻訳書

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・『おれにはアメリカの歌声が聴こえる――「草の葉」(抄)』(光文社、2007年)

・『ブルース・ピープル』(平凡社、2011年)

・『ビリー・バッド』(光文社、2012年)

・『凸面鏡の自画像』(左右社、2021年)