松本 朗 教授


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学 歴

米国ワシントン大学文学部(英文学)学士号
東京都立大学人文科学研究科(英文学)修士号
東京都立大学人文科学研究科(英文学)博士号

B. A. in English, University of Washington
M. A. in English, Tokyo Metropolitan University
Ph. D. in English, Tokyo Metropolitan University


 

専門分野

20世紀イギリス文学・文化

専門はヴァージニア・ウルフをはじめとするモダニズム文学・文化全般ですが、jazz-ageたとえば、1920年代の英米の文学作品や映画作品において、〈モダン・ガール〉と呼ばれる新しい女性像が、激動する時代の象徴のような存在となって、日本を含めた非西洋の世界にも伝搬して、現地のローカルな文化と交渉しながら各地の近代化やアメリカ型大衆消費文化を推進する力となったことなどにも関心をもっています。このように複数の文化が不均衡なかたちでせめぎあうさまを分析することは、現代における世界のありようを批判的に考察することに結びついていくと考えています。


 

担当科目について

担当科目: イギリス文学演習、イギリス文学講義Intensive Reading

windrushイギリス文学演習では、毎年、20世紀前半の小説と20世紀後半以降の小説を一冊ずつ扱うことで、イギリス文学の偉大さやおもしろさが、シェイクスピアやディケンズなど過去だけのものではなく、現在進行形のものであることを学生に実感してもらうことを目指しています。20世紀前半の激動の時代を経た後の20世紀後半以降のイギリスでは、いわゆる白人中流階級のイギリス人男性にくわえて、女性や労働者階級出身者や移民や同性愛者の作家など、新しい優れた才能が数多く輩出されました。これらの作家たちは、従来の〈イギリス〉の定義にゆさぶりをかけつつ、不安定な時代の中における新しい共同体や人間のあり方を刺激的なかたちで模索しています。こうした作家たちの作品を読むことで、学生たちが、現代の日本に住む私たちについて考え直す契機を得てくれれば、と願っています。

 


主要業績

『転回するモダン――イギリス戦間期の文化と文学』(共編著)(研究社、2008年)
『ポスト・ヘリテージ映画――サッチャリズムの英国と帝国アメリカ』(共編著)(上智大学出版、2010年)
「モダニズム——ヴァージニア・ウルフの時代」、河内恵子・松田隆美編『ロンドン物語——メトロポリスを巡るイギリス文学の700年』(慶応義塾大学出版会、2011年)、155-79頁
「モダン・チェーホフ?————チェーホフとキャサリン・マンスフィールド」、井桁貞義・井上健編『チェーホフの短篇小説はいかに読まれてきたか』(世界思想社、2013年)58-80頁