大塚 寿郎 教授


学歴

ootsuka

上智大学文学部英文学科(学士号)
上智大学文学研究科英米文学専攻(修士号)
マサチューセッツ州立大学アマースト校大学院(博士号)

B.A in English, Sophia University
M.A. in English, Sophia University
Ph.D. in English, Graduate School, University of Massachusetts/ Amherst


専門分野

19世紀アメリカ文学・文化・思想

ootsuka2小説『白鯨』で有名なハーマン・メルヴィルを中心に、文学とアメリカの民主主義の形成の過程との関わりついて研究しています。個人の自由と共同体の秩序をどうやって両立させるのか。価値観の異なる多文化をまとめてひとつの国を作り上げることは可能なのか。独立以来アメリカではこうした議論がくり返されてきました。文学のテクストがこうした議論を支える言葉や考え方を反映あるいは形成していく過程を追っていくことで、文学と社会のかかわりを研究しています。最近は、「アメリカ」というひとつの国家の枠を超え、大西洋さらには太平洋をコンテクストにしたコスモポリタンな想像力をもった文学者・思想家たちに注目しています。


担当科目について

担当科目:アメリカ文学演習、アメリカ文学講義Intensive Readingなど

アメリカ文学演習のクラスでは、ハーマン・メルヴィル、マーク・トウェイン、イーディス・ウォートンといった19世紀の小説家をとりあげ、学生によるプレゼンテーションとディスカッションをしています。小説の読解では「視点」を意識して読むことをすすめています。私たちが世界を見るときに、ある特定の視点から見ていることをあまり意識していません。ところが、同じ出来事でも別の視点から見ると全くちがって見えてくることがあります。たとえば19世紀アメリカでいえば、白人男性の視点から書かれた小説のテクストの背後に隠れてしまっているマイノリティーの視点を読みとる力をつけると、あたり前のように受けとめていたことが、じつはひとつの見方にすぎないということに気づかされるのです。こうやって読んでみると、昔の外国の話だと思って読んでいた小説が、じつは21世紀を生きる自分たちの視点、しいてはその根底にある価値観を問い直すこともあるのです。国、人種、性を含め、自分とは異なる文化を理解するのに欠くことのできない想像力を身につけてもらうことを目標としています。


主要業績

『キリスト教のアメリカ的展開――継承と変容』(共著、上智大学出版、2011年)

『アメリカン・ルネサンス』(共訳、上智大学出版、2011年)

『宗教文学の可能性』(共著、春秋社、2001年)